久々の声出し解禁ワンマンということで、「ずっとみんなの声聞きたくてウズウズしてました!」「声出していける?」と煽れば、テレビ中継の入った東京公演の2部では「テレビの前のみんな、元気ですか!」と、HAYATOが画面の向こうにまで挨拶する場面も。さらに、4月29日の結成日で無事に5周年を迎えられたことに感謝を述べ、「今日は5年間を感じられたり、その先も見据えて希望を持ってもらえるライブにしていきたいと思っています」という言葉から、まずは新曲2曲をお披露目する。5月7日に先行配信されたアルバム収録曲「OPEN」は、心を開いて曝け出せと呼びかけるディストーションの利いたゴリゴリのロックチューンで、「いくぞ!」というKENSHINの号令から逞しいダンスで畳みかけるクライマックスは圧巻。リアルに体感温度を上げたところで続いた「Reflection」はEIKUが作曲を、EIKUとTETTAが作詞を手掛けた4月配信の新曲で、2人にREIを加えたボーカル陣の歌唱力を全面に押し出したJ-POP感が新しい。東京公演のMCで「僕らのもがいている気持ちや希望が見えるんじゃないか」とTETTAが語っていた通り、自身の本音が赤裸々に綴られた歌詞と、その心情を描写するようなドラマティックな振付でもSWAGの目と心を惹きつける。さらに、ワンエン楽曲の中でも一二を争うほどハードな「YOUNG BLOOD」は、HAYATO、KENSHIN、NAOYAのラッパー組が一階ステージ、TETTA、REI、EIKUのボーカル組が機上を陣取る二段構えのパフォーマンスがダイナミックで、曲中「Um, Dois, Tres, Quatro!」とポルトガル語でカウントする南米人気の高い彼ららしいアレンジも。さらに“La la la la……”とSWAGたちと大合唱したあげく、6人揃っての緻密なダンストラックで客席のボルテージを休みなく煽り立てるのだから、観ている側も一瞬たりとも気が抜けない。
そこから恋の火遊びを歌う情熱的なラテンチューン「Get That」を挟んでは、ONE N’ ONLYの5年間を振り返るブロックに。まず「We Just Don’t Care」を弾き語るEIKUの優しい歌声をBGMに、5年間のライブシーンを振り返るムービーが流れ、緋色のシャツに黒のパンツとネクタイというシックなスタイルに着替えた6人が、EBiSSHのTETTA、REI、NAOYA、さとり少年団のEIKU、HAYATO、KENSHINの二手に分かれて現れる。飛行機の両翼に立つ2組が合流してデビュー曲の「I’M SWAG」を披露すると、そこからは代表曲をたどるメドレーで5年間の歴史を再現。「5年前、2つのグループが融合して一つになった僕たちONE N' ONLY。デビュー曲「I’M SWAG」を披露して確かな手ごたえを得た。次の曲は俺たちのライブに必要な曲」というKENSHINの煽りから、オリコンウィークリーランキングで連続1位を獲得した「Dark Knight」に「Category」を連投されれば客席は大揺れだ。そして「まだまだ未完成な僕たち。この5年で仲間との別れだったり、みんなに会いたくても会えなくなってしまったり、いろんなことがあった。たくさんの壁にぶつかって、逃げ出したくなったときもすごくあった。完成はしないんだと思う。でも、SWAGがいてくれたら、僕たちは何倍も力を出せるし、どんなことも乗り越えられていける。これからも一緒に、幸せになろうね」とNAOYAが前置いた「Don’t worry」で、優しくSWAGの心を包んでいく。
アンコールは「愛を届けます!」と、これまでライブの最後を飾っていた「My Love」で幕開け、東京公演では「当たり前だったものが戻ってきてすごく嬉しい。ONE N’ ONLYが世界に向けて挑戦できているのも日本のSWAGのおかげだと思っております」とNAOYAも感謝。KENSHINは「声を出せるって最高!」と顔を綻ばせ、HAYATOは「ブラジルでのライブも良い刺激にもなったし、みんなを側に感じながら世界に挑戦していきたい」と抱負を述べる。また、大阪公演ではNAOYAが「ここでみんなにお知らせがあります!」と言い、8月20日(日)にZepp Haneda(東京)、8月27日(日)にZepp Namba(大阪)で初のFCツアーとなる『ONE N’ ONLY FC TOUR 2023 〜Welcome to SWAG』の開催が発表され場内からは大きな声援が。「SWAGの輪を広げるためのイベントなのでお友達や家族、大切な人を誘って遊びにきてください!」と満員のSWAGに呼びかけた。
最後までカメラに向かって指ハートと投げキスを繰り返し、口々に「愛してるよ!」と告げたエンディングで、NAOYAは「未来に向かって、ずっと突っ走っていきます!」と決意表明。5周年という節目を迎えたONE N’ ONLYにとって、ここが新たな“Departure(=出発)”であるに違いない。2023年は4月の南米ツアーのみならず、結成5周年を記念した5大プロジェクト『5 N' 5』を実施中の彼ら。5ヶ月連続リリースも今回の東名阪ホールツアーもその一環であったが、2023年もまだまだ前半戦だ。6月25日にはツアー『Departure』の追加公演が東京国際フォーラム ホールCにて二部制で開催されるうえ、5月末まで東急東横線・田園都市線をジャックした『ワンエントレイン』も運行中。文字通り、どんな“世界”が彼らを待ち受けるのか、まだまだ興味は尽きない。
写真: 笹森健一 文: 清水素子
■ONE N' LIVE 2023 〜Departure〜
[セットリスト] 01. We’ll rise again 02. What’s Your Favorite? 03. Departure 04. OPEN 05. Reflection 06. YOUNG BLOOD 07. Get That 08. I'M SWAG 09. Dark Knight 10. Category 11. Don’t worry 12. Shut Up! BREAKER 13. Video Chat 14. We Just Don’t Care 15. YOU??? 16. GIFT 17. HOLIDAY 18. Step Up 19. Last Forever EN-01. My Love EN-02. 10,000miles EN-03. Call me