美食と芸術の街として知られる北イタリアの都市ボローニャから、250年の歴史を誇るボローニャ歌劇場が来日します! 今回は5年ぶり5回目となる引越公演。現在、世界中で望み得る最高の歌手陣を揃え、ボローニャ歌劇場ならではのイタリア・オペラの伝統を踏まえながら革新も怠らない、イタリア統一150周年にふさわしい、真に価値あるオペラを届けてくれることでしょう。
今回披露されるプログラムは3演目。それぞれの見どころと注目の出演者をご紹介しましょう。
まずは
ベッリーニの『清教徒』。男性テノール歌手に求められる超高音の歌唱が何度も出てくる技術的に非常に困難な作品で、本場イタリアでも滅多に上演されることのない幻の名作オペラです。これを今回の日本公演において、“100年に一人のテノール”と絶賛される、
フアン・ディエゴ・フローレスを迎えて堂々上演。
そして男性歌手だけでなく、やはり女性ソプラノにもアクロバティックな高い歌唱技術が求められる『清教徒』。フローレスの相手役ヒロインには、現在イタリア最高のコロラトゥーラ・ソプラノであるデジレ・ランカトーレ迎え、そのほかにも同じくイタリアの正統派のバリトン、
アルベルト・ガザーレや、各種音楽祭などでひっぱりだこのバス歌手、
ニコラ・ウリヴィエーリといった、今旬のベスト・キャスティングで奇跡の舞台に挑みます。
イタリア統一150周年特別企画として上演されるのが『エルナーニ』。イタリア・オペラの代表的作曲家、
ジュゼッペ・ヴェルディ初期の傑作で、今回のボローニャ歌劇場が外来オペラとして日本初の上演となります。
主人公の元・青年貴族で山賊の頭首エルナーニには、“ポスト・パヴァロッティ”として人気を博しているイタリアのテノール、
サルヴァトーレ・リチートラ、その恋人であり同時に3人の男に愛されるヒロインのエルヴィーラには、マリア・カラスの再来といわれるギリシャ出身のソプラノ、
ディミトラ・テオドッシュウ、彼女を愛するエルナーニの敵で国王ドン・カルロとイスパニア大公シルヴァには重鎮の
ロベルト・フロンターリと
フェルッチョ・フルラネットの大ベテランを擁し、このオペラの上演に理想的な純イタリア系の最高の歌唱陣が揃いました。
そして、誰もがご存じの人気演目、
ビゼーの『カルメン』。旬のキャストだけでなく、演劇要素をふんだんに盛り込んだカラフルでポップな演出にも注目です。
カルメンに恋する主役のドン・ホセには、世界中の歌劇場から出演依頼が殺到する現代オペラ界のスーパー・スター、
ヨナス・カウフマンが待望の来日!“カウフマンのホセ役“は今いちばん観たいヒーローと各地で絶賛されています。
カルメン役には、グルジア出身のメゾ・ソプラノ、
ニーノ・スルグラーゼが登場。また、ホセの恋敵で自由奔放なカルメンを虜にするエスカミーリョ役には、ミュージカル『南太平洋』でトニー賞主演男優賞を受賞し、世界中のミュージカル・ファンを魅了するバリトン、パウロ・ショットが出演します。美声、抜群の演技力、類稀なる容姿をあわせもつ彼ら新世代のオペラ歌手の登場が、舞台をさぞかし盛り上げてくれることでしょう。
東京公演は9月13〜25日に東京文化会館、びわ湖(大津)公演は9月10〜11日に滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールにて。
この秋最大の話題になること必至のオペラ公演、チケットのお求めはお早めに!

『清教徒』Photo:Bepi Caroli

『エルナーニ』Photo:Rocco Casaluci

『カルメン』Photo:K.Miura