チャールズ・ブロンソン 2003/09/02掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
“心優しき無法者”男の中の男、
チャールズ・ブロンソンが8月30日、ロサンゼルスの病院で肺炎のため亡くなりました。享年81歳。ここ2年間、闘病生活が続いていたそうで、数週間前から肺炎が併発して、誰よりも強かったチャーズ・ブロンソンもついに帰らぬ人となりました。
日本では外人タレントのCM起用の先駆けとなったマンダムのCMがあまりにも有名ですが、この悲しいニュースを聞いて、あらためて彼の作品を思い出せば、驚くのはその出演作品の多い事! なんたって映画デビューが1951年ですから、ロックが誕生すると同時に半世紀もの間、スクリーンで活躍してきたわけですね。しかも70歳を過ぎても、肉体を維持してドカンドカンとスクリーンで暴れていたわけですから、その凄さは計り知れないものがあります。
気は優しくて力持ち・・・そんなイメージのブロンソン(写真は
ブロンソンズの
『スーパー・マグナム』)は1921年生まれ。リトアニア移民一家で、15人兄弟の5男。炭鉱夫など、様々な職につき、43年に入隊した空軍ではB29の射撃手として活躍したそうです。
ブロンソンと言えば、まず皆さんが思い出すのは
『荒野の七人』でしょうか?
『大脱走』でしょうか?
ロバート・アルドリッチ監督の
『特攻大作戦』でしょうか? この頃活躍した偉大な暴力俳優、
リー・マーヴィン、
アーネスト・ボーグナイン、
ジェイムズ・コバーンと共に人気者になりますが、彼が路線を変更する事無く、最後までアクションスターであり続けたのは、1974年の代表作『狼よさらば』があってこそでしょう! 結果的に彼のライフワークとなった“デス・ウィッシュ”シリーズの第1作で、毎回毎回、行く先々で妻や恋人や娘を殺されて、復習の鬼となる映画史上最も不幸なアンチヒーロー“ポール・カージー”を演じる事20年! 国家法律関係無し!とにかく殺す!まとめて殺す!死んでても殺す! 復習のために人を撃つ度に、暴力本能に目覚め、次第に銃に魅せられて行く危険な男ポール・カージーを演じてから、ブロンソンは、映画と社会秩序の関係を背負う事になります。
こうして長年、映画の中で孤高なまでに“男”を貫いたチャールズ・ブロンソン。世の男性にとって、偉大なお手本が去ってしまった事はとても寂しいですが、彼の残した100本近くの出演作を未来の男達に語り継いで行きましょう! 心よりご冥福をお祈りします。