ピアニストの小室響が、父のジャズクラブで行なったライヴ音源から厳選した2枚組。類家心平や井上銘といった国内のトッププレイヤーが参加しており、2025年現在の国内シーンの一端を知ることのできる作品だ。

ピアノ・トリオ編成として青木弘武が10年ぶりに制作した2025年の作品。重ねられた年輪のように熟成された演奏のみならず、寓話に着想を得て作られた楽曲コンセプトなどにも創意工夫と努力の跡が垣間見える。

ピアニストの村松健が1983年に放ったデビュー作。心地よいメロウ・フュージョンが展開されており、当時の国内シーンを彩った名うてのスタジオ・ミュージシャンが多数参加。小細工のないサウンドが好感を抱かせる。

YMOとの共演などで知られるギタリストの大村憲司が、1978年に放った2ndアルバム。米・ロサンゼルスに渡りリー・リトナーやTOTOの面々を迎えて録音されたもので、そのサウンド・プロダクションは現在でも高く評価されている。

ギタリストの枠に収まらない活躍を続ける鳥山雄司が、1988年にリリースした5枚目のソロ・アルバム。時代を反映した打ち込みサウンドのみならず、彼のソリッドなギターが全編で聴かれる内容でロック的要素もあり。

浪花エキスプレスが、地元関西で頭角を現しつつあった82年に発表した1stアルバム。のちに代表曲となる「BELIEVIN'」を筆頭に、テクニカルなプレイと強力なリズム・セクションが交差する、ライヴさながらの迫真のプレイが楽しめる。

ジャズ・トランペットの雄、ロイ・ハーグローヴの多才ぶりが如実に表われた2002年録音作品。ディアンジェロやエリカ・バドゥ、コモン、Qティップらとともに、ファンクやヒップホップをも取り込んだ音楽を展開している。

同名映画の主題歌「いそしぎ」を収録した、ボサ・ノヴァの名花、アストラッド・ジルベルトの2ndアルバム。クラウス・オガーマンやドン・セベスキーをアレンジャーに迎え、都会的に洗練された演奏で名スタンダードを可憐に聴かせてくれる。

ボサ・ノヴァのミューズが「イパネマの娘」の大ブレイクを経た1965年に吹き込んだ初のフル・アルバム。アントニオ・カルロス・ジョビンを伴奏に迎えて、「暝想」などのジョビン・ナンバーを軽やかに歌い上げている。

オスカー・ピーターソンら名手たちのバッキングを得て小粋に歌う白人ヴォーカリスト、アニタ・オデイの代表作。ハスキーな声質ではあるが、洒落た歌い回しでしつこさをまったく感じさせない天性の歌姫だ。

“鉄火肌”“姉御肌”ともいわれるヴォーカル・スタイルで高い人気を得たアニタ・オデイの絶頂期といえる1955年録音盤。オーケストラをバックに、彼女の魅力的な情感あふれるヴォーカルが堪能できる。

ジョアン・ジルベルトとともにボサ・ノヴァを世界に広めたジョビンの1963年録音の代表作。ジョビンが奏でるクールなピアノとクラウス・オガーマンの温かなアレンジが魅力的な、インスト版ジョビン・スタンダード集だ。

ウェスの最高傑作のひとつであると同時に、共演したウィントン・ケリーにとっても出色の出来に仕上がったライヴ盤。マイルス・デイヴィスのコンボでもおなじみのメンツとともに綴られた、ジャズ・ギターの歴史の1ページだ。

ドン・セベスキーによる編曲／指揮のゴージャスなオーケストラ・サウンドをバックに、天才ギタリストがポップス・ナンバーを演奏する人気作品。オクターブ奏法での名人芸を遺憾なく発揮している。

1960年ベルリンで、12,000人の大観衆を前にして熱唱されたジャズ・ヴォーカルの女王、エラの人気作品。クルト・ワイル作品をはじめ、彼女のスウィンギーなヴォーカルが楽しめる。

エラと“サッチモ”というジャズ・ヴォーカル界の巨人ふたりによる名共演アルバム。息の合ったデュエットは聴いている者までも楽しくさせてしまうほどゴキゲン。ピーターソンやバディ・リッチの巧みなバッキングも秀逸だ。

虐げられた黒人の生活をテーマとしたガーシュウィンのオペラ『ポーギーとベス』。ジャズメンたちに多く取り上げられる本作を、エラとサッチモという二人のジャズ・ジャイアンツが歌い上げた豪華な一枚だ。