1980年と81年に2枚のアルバムを遺したMSB (Medical Sugar Bank) の中心人物だった
佐藤允彦と
山木秀夫を中心としたトリオ“紅山彦”が、10月1日(水)に、佐藤のプロデュース・レーベル「BAJ Records」よりデビュー・アルバムをリリースします。
昨年リリースの『
Palladium Explosive』にて新たな息吹も吹き込まれた、1969年の初リーダー作『
パラジウム』や
スティーヴ・ガッド、
エディ・ゴメスのトリオで吹き込んだ『
アモーフィズム』など、数々のリーダー作を発表する傍ら、CMや映画などの映像音楽も手掛けてきたピアニスト / 作・編曲家の佐藤允彦。佐藤との“MSB”や
清水靖晃を中心とした“
マライア”、
深町純との“
KEEP”、
渡辺香津美バンド、
近藤等則の“
IMA”への参加など、数々の鬼才たちと共演してきたトップ・ドラマーの山木秀夫。“紅山彦”は日本のジャズ・シーンを代表する2人が、MSB以来となる2019年に偶然再会したことがきっかけ。
少数精鋭でトリオ編成を考えた2人が、異口同音にベーシストに名を挙げたのは、
ハンク・ジョーンズや
ジョー・ヘンダーソン、
ヘレン・メリル、
エグベルト・ジスモンチ、
日野元彦ら世界のジャズ界をリードするミュージシャンと共演してきたベーシストの
坂井紅介。こうして3人揃い、それぞれの名を一文字ずつとった“紅山彦”が結成されました。
東欧やアフリカの変拍子や複合拍子などに凝ってきたという佐藤允彦が1曲をのぞき、ほぼすべての作曲を手掛けている本作には、インドの複雑な奏法“Tihai”を取り入れた作品から江戸時代に飛び交っていたであろう“呼び声”をリズムにしたという楽曲まで、5曲の書き下ろしを含む10曲を収録。変拍子、複合拍子、複層リズムにインド、ブルガリア、アフリカに江戸の要素を加味した各楽曲は、常にフリー・インプロヴィゼイションを孕む緊張感にあふれています。ライヴの回数を重ねたのち、満を持して制作された本作には、“不整脈をお持ちの方は要注意。”との粋なキャッチコピーも。百戦錬磨の3人が、タイトルにバンド名を冠した自信作に期待が高まります。