デビュー10周年を迎え、7月8日にリリースしたアニバーサリー・ベスト・アルバム『10』が7月24日発表の「オリコン週間合算アルバムランキング」で、1年10ヵ月ぶり・今年度初となる2週連続1位を獲得。さらに、7月25日発表の「オリコン週間ストリーミングランキング」において、TOP500ランクイン楽曲の総再生数が10,087,195,554回となり、2018年12月24日付より発表を開始した同ランキングにおける史上初のストリーミング総再生数100億回超えアーティストとなった、Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)。
そんなミセスが、7月27日に神奈川・山下ふ頭特設会場にて2日間で計10万人を動員した野外ライヴ〈MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜〉の最終公演を迎えました。この日はWOWOWでの「生中継」のほか、計15の配信プラットフォームでの「生配信」、全国325館での「映画館ライヴ・ビューイング」、“みるハコ”での「カラオケ・ビューイング」も行われました。会場、そして配信とビューイングのトータルで約30万人以上が本公演に熱狂した計算となります。
[ライヴ・レポート] 海を進む帆船や緑豊かな森、たくさんの実をつけたリンゴの木、そしてアニバーサリーベストアルバム『10』のアートワークに登場していたさまざまなモチーフ……特別なライブの幕開けにふさわしいダイナミックなムービーとともにステージに登場した大森元貴(Vo./Gt.)、若井滉斗(Gt.)、藤澤涼架(Key.)の3人。それぞれグリーン、ブルー、レッドの衣装に身を包んだ彼らが最初に鳴らしたのは「コロンブス」だった。空に舞う色とりどりの噴煙がここから始まるショウへの期待を昂らせ、巻き起こる大合唱が広大な会場を瞬く間にひとつにしていく。そんな圧巻のオープニングからスタートした〈MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜〉は、その後も様々な趣向を凝らしながら、10年という年月をかけて積み重ね、洗練させてきたミセス流のエンターテインメントの凄みを存分に見せつけていった。
そんなライブ本編を「ダンスホール」「ケセラセラ」「ライラック」の必殺コンボで締めると、アンコールでは10年を遡るような映像から、ライブハウス時代の大森が叫ぶ曲名とともに「我逢人(がほうじん)」が歌われる。大合唱が湧き起こる中、ついにライブは最後の曲へ。「10年前、この曲でデビューしたな」という大森の言葉から届けられたのは、メジャーデビューミニアルバム『Variety』の1曲目、つまり彼らのこの10年の文字通りの出発点となった「StaRt」だった。ステージで演奏するバンドのはるか頭上、ステージ上空に1,200機ものドローンが浮かび、ドローンアートでバンドのロゴやメッセージを描き出す。大森が繰り返した「愛してるよ!」の言葉と空中に浮かび上がった「THANK YOU ALL JAM’S」の文字、そして打ち上がる大量の花火は、バンドとファンが培ってきた固い絆を祝福するようだった。
ステージでメンバーは口々に何度も「楽しい」という言葉を口にしていたし、実際に客席から見る彼らはとても楽しそうにしていた。いつも以上に出たとこ勝負のMCも含めて、純粋に自分たちの歩みを讃え、それを支えてくれたJAM’Sと分かち合う自然体のライブが、この「FJORD」だったのだと思う。それをこの巨大な規模でやってのけてしまうところがミセスだが、ここのところ〈Mrs. GREEN APPLE on “Harmony”〉や〈Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』〉のようなハイコンセプトなライブが多かっただけに、そのある種無邪気ともいえる姿を新鮮に感じる一方で、それこそが、取り巻く状況がいかに変化しても変わることのない、等身大の姿なのだと感じさせられた。
この日のライブ中には、バンドからビッグな発表もあった。大森が「発表がありまして」と伝えたのは、この野外ライブ〈MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜〉が、ライブフィルム『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜 ON SCREEN』として映画化され、11月28日(金)より、すでに制作を発表しているドキュメンタリー映画(※タイトルは後日発表)と2作同時公開されるということだった。しかも、ライブフィルム『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜 ON SCREEN』は、日本人アーティストのライブフィルムとして史上初のIMAX®上映。映画が2作同時に公開されるというのも同様に日本人アーティストでは初となる。
ライブフィルム『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD(フィヨルド)〜 ON SCREEN』は、日本人アーティストのライブフィルムとして史上初のIMAX®上映が決定。IMAX®本社から「Mrs. GREEN APPLEと手を結び、日本人アーティストによるライブフィルムとして史上初のIMAX®上映が決定した事、また、この作品が彼らの卓越した才能を映し出し、更なるファン層の拡大に向かっていく事に、とても興奮しています。」とのコメントも到着した。通常のスクリーンでは味わえない大迫力の映像と高音質なサウンドにより、観客をステージの最前列へと誘う。さらに、10年前にリリースしたメジャーデビューミニアルバムに冠したタイトルを受け継ぐ、ライブで披露された新曲「Variety」は現時点で配信やリリースの予定がないため、映画館だけが唯一聴ける場所となる。
一方、ドキュメンタリーでは、デビュー10周年プロジェクトが始まり、世間を圧倒し続ける彼らの素顔や、新曲「Variety」が生み出されるまでの過程を完全密着で描き出す。これまで一切明かされることのなかった、大森が楽曲をゼロから制作する姿が映し出され、唯一無二のアーティスト大森元貴の頭の中と、Mrs. GREEN APPLEとして生きる3人の胸のうちを赤裸々に、そして真摯に映し出す作品となる。現在の音楽シーンを牽引する彼らに、なぜ今、この剥きだしのドキュメンタリーが必要だったのか?大森元貴が自らプロデューサーを務める「Mrs. GREEN APPLE」の最新の姿と、トップランナーであり続けられる彼らの原点となる“ひたすらに音楽に真摯に向き合う姿”を垣間見ることができる。Mrs. GREEN APPLE初のドキュメンタリー映画となるそのタイトルは、後日発表となる。
世界観の異なる2つの映画は当然単体でも楽しめるが、続けて鑑賞することで「Mrs. GREEN APPLE」という存在をより深く知ることができるに違いない。圧倒的な完成度を持つライブフィルムの熱狂と興奮、彼らがトップランナーに登り詰めるまでの決して平坦ではない道のりを探るドキュメンタリー、「ライブを観るとドキュメンタリーが観たくなる」「ドキュメンタリーを観るとライブがもっと深く刺さる」――無限のスパイラルで繋がり合う、世界中の音楽ファンにとって“必見”の2作品になるに違いない。
なお、本日の公演のセットリスト(※新曲「Variety」は含まれず)が公式プレイリスト「MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD〜」としてApple Music、Spotify、LINE MUSICで配信されたので、さっそく追体験をしてみよう。