バロック音楽の第一人者ガーディナーが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と挑んだブラームスの交響曲全集のライヴ録音。約20年前に古楽器オーケストラとブラームスの交響曲に挑み高い評価を得たが、今回新たな解釈とスタイルの融合を模索している。

佐渡、トーンキュンストラー管のマーラー・シリーズ7作目。過去6作はいずれも好評裡に迎えられている。本作の第6番は、形式は古典的伝統的ながら、その書法は随所に伝統から逸脱している。そのあたりの佐渡の手腕が光る。

カラヤンと並ぶ世界的指揮者のレナード・バーンスタインが、晩年にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を率いて、シューベルトの名曲をライヴ録音した一枚。第8番≪未完成≫は執拗に重くせず、淡く伸びやかに歌われている。

バーンスタインがニューヨーク・フィルから引いて、徐々にヨーロッパのオケを指揮していた頃の録音。バーンスタインはVPOと相性が良く、VPOの長所を最大限引き出しつつスケールの大きな演奏を聴かせている。

カラヤン4度目、最後のベートーヴェン交響曲全集となった録音から「運命」と「田園」。60年代のカラヤンを挙げる人も多いが、この80年代の演奏も、カラヤン美学に貫かれた完璧な演奏が繰り広げられている。

クライバーのベートーヴェン第1作と第2作をカップリング。どちらも発売当初、大きな衝撃を与え、話題となった。早めのテンポ、細部の彫琢、ウィーン・フィルの特徴を最大限引き出す指揮ぶりが新鮮だ。

ウィーン・フィルとの蜜月時代に完成させたベートーヴェン交響曲全集からのカップリング。いずれもウィーン・フィルの美質を生かして、大いに歌わせ、激しいダイナミズムも創り出し、スケールの大きな演奏を繰り広げている。

カラヤン4度目、80年代の最後の全集からの一枚だ。ソリストたちは、例によってカラヤンの眼鏡にかなった一流の歌手たちを集め、合唱団もカラヤンお気に入りのウィーン楽友協会。これが総決算の演奏か。

ヨーロッパに活動の拠点を移してウィーン・フィルとは特別な関係を築き、ベートーヴェン交響曲全集を完成させ、その掉尾を飾った記念すべきライヴ録音。歌手、合唱団、オケ一丸となった入魂の演奏が繰り広げられている。

オーストリアの指揮者、カール・ベームがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともに挑んだモーツァルトの交響曲全集から、第40・41番を収録。好対照な名作を、晩年の巨匠が紡ぐ味わい深い演奏で楽しめる。

アバドがロンドン響の首席指揮者時代の録音。いささかロマンティックなモーツァルトだが、40番のドラマティックな表現。41番の細部にまできめ細かな表情を持たせた読みの深さなど、これはこれで名演奏と言える。

ルイージの4枚目は、N響とは初めてのブルックナーで、2度目の第8番。ルイージが高く評価してきた初稿版を用いての第8番は、N響としても初となる。前評判も演奏後の評価も高い、渾身の演奏が繰り広げられている。