ハンガリーのピアニスト、ファルナディによるアルバム。同じ祖国であるリストの「ハンガリー幻想曲」と「死の舞踏」、ピアノ協奏曲第1番と第2番を収録（1950年代に録音）。リストならではの華麗な音運びや技巧性、表現力を体現する。

ベームの1944年から51年までの録音5曲を収録。ピアノのブランカ・ムスリンはパリで研鑽を積み、コンヴィチュニーの指揮で何枚か録音を遺している。エリー・ナイはドイツのピアニストで、スケールの大きな演奏。これがドイツだ。

繊細で優美なモーツァルト弾きと思っている音楽ファンにはお薦めの一枚だ。シューマンでの力強い打鍵と横溢するロマンティシズム、ヒンデミットでのダイナミズムや切れのいいリズムなど、ハスキル再発見のアルバムといえる。

宇野功芳をして「怪物的演奏」と言わしめたベートーヴェンの第2番、悠然とスケールの大きな演奏を繰り広げるブラームスの第4番。いずれもクナッパーツブッシュ節が横溢している独特の世界が堪能できる。

ブルックナー指揮者としても有名なシューリヒトが、晩年にハンブルクでライヴ録音したブルックナーの第9。初めてブルックナーを振ったのもこの第9番だった。正確さやリズムのキレなど、引き締まった演奏だ。

シューリヒトは1949年から65年にかけてしばしばフランスで指揮をし、人気を博していた。これは、そんな時期のライヴ録音だ。特にブラームスのドイツ・レクイエムは聴き応え十分。ピアノ協奏曲はアラウとの共演だ。

カサドシュとペルルミュテールの脂の乗り切った時期の貴重な録音が収められている。いずれも初出の協奏曲録音で、特にペルルミュテールのベートーヴェン、モーツァルトは録音も少なく、貴重な録音と言える。

フランス国立管の1950年代の録音をまとめたもの。クーベリック、シューリヒト、そしてストコフスキーらがフランス国立管をどのように束ね、それぞれの世界を築いたのかが分かる。非常に興味深いアルバムといえる。

グランドスリム・レーベルから約7年ぶりのリマスター盤。アメリカ亡命後のワルターの名盤だ。本作はプロ用機器でのマスタリングで、大幅に音質を向上させている。解説書にLP初出時の図版を多数掲載。

「春の祭典」の初演指揮者としても有名なモントゥー。音楽監督も務めたことのあるボストン響とのシューベルトに、ニューヨーク・フィルとのドビュッシーは、Vディスクからの復刻。興味をそそる一枚だ。

指揮者のミュンシュとパレーによる貴重な録音集。ミュンシュとボストン響、モニク・アースのソロによるモーツァルトのピアノ協奏曲第2番ほか、パレーとデトロイト響、カサドシュのソロによるブラームスの協奏曲第2番などを収録（いずれも1960年録音）。

指揮者のパウル・ファン・ケンペンの初出録音集。ケンプのソロとアムステルダム・コンセルトヘボウ管によるブラームスのピアノ協奏曲第2番（1951年録音）や、トリノRAI管によるマーラーの交響曲第1番「巨人」（1955年録音）を収録。

アーベントロート指揮、ライプツィヒ放送響によるアルバム。ムスリンのソロによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、コーツのソロによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番などを収録し、圧倒的なリーダーシップと巧妙な表現を聴かせる。

指揮にチェンバロ演奏に活躍している円熟期のルセによる至高の「フーガの技法」。バッハの対位法の集大成にして最晩年の大傑作を、一音一音に命を吹き込んで、バッハの求めた音楽の姿を露わにしている。

ギタリストの加藤奏による、「エレジー」＝哀歌をテーマにしたデビュー・アルバム。東日本大震災犠牲者に捧げられたレーモンの「悲歌」や、ヴィラ＝ロボスのショーロス第1番と「5つの前奏曲」などを収録している。

グラナドス晩年の傑作組曲「ゴイェスカス」を、スペインのピアニストのペリアネスが満を持して録音。民俗色と洗練された響きを持ったこの名曲を、ペリアネスは情熱をもって弾き切っている。一聴の価値大だ。

ケラスのソロ、グスターヴォ・ヒメノ指揮、ルクセンブルク・フィルによる、デュティユーのチェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」を収録。他にも「メタボール」と交響曲第1番を収録し、鮮烈なサウンドを響かせる。

2023年に逝去したフェリックス・アーヨの追悼盤。アーヨがソロを務めるヴィヴァルディの「四季」やヴァイオリン協奏曲、イ・ムジチ合奏団でコンサートマスターを務めるロッシーニやバルトーク作品など、気品にあふれたアーヨの音楽性を楽しめる。

ヴァイオリニストのジャンヌ・ゴーティエのソロによるメンデルスゾーンの協奏曲や、またフランス三重奏団の一員としてシューベルトのピアノ三重奏曲第2番を収録。ソリストとしての腕前はもちろん、名手たちとの上質で格別なアンサンブルも楽しめる。

クラシック・ギタリストの朴葵姫が、デビュー14年目にして初めて挑むオール・バッハ・アルバム。名曲「シャコンヌ」に加え、ヴァイオリン・ソナタ第3番、そしてリュートのためのBWV998の3プログラムを収録。彼女の集大成とも言える渾身の作品だ。

ピアニストの高木竜馬のデビュー・アルバム。シューマンの「謝肉祭」を軸に、同じく「トロイメライ」や、ラフマニノフの前奏曲「鐘」などの小品を収録。グリーグの「抒情小曲集」では、グリーグ国際ピアノコンクールの覇者ならではの響きを楽しむ。

ウクライナ出身のコロラトゥーラ・ソプラノ歌手／バンドゥーラ奏者、オクサーナ・ステパニュックの弾き語りアルバム。「カッチーニのアヴェ・マリア」やヘンデルの名曲に加え、S.バシュタンらウクライナを代表する作曲家たちの楽曲も揃っている。

トスカニーニの名盤コレクション。ヴェルディやプッチーニの作品の初演を手掛けたトスカニーニならではの珠玉のオペラ序曲集だ。トスカニーニの録音にかかわったジョン・ファイファー監修のリマスタリングを使用。

トスカニーニ晩年の録音だが、気力が漲り、NBC響の緊張感も伝わる稀有な演奏が繰り広げられている。トスカニーニの録音にかかわったジョン・ファイファー監修のリマスタリングを使用しているところがミソ。

トスカニーニの名盤コレクション。トスカニーニの録音にかかわったジョン・ファイファー監修のリマスタリングを使用。40年代の録音なので、音質はよくはないが、トスカニーニの気迫が塊となって迫ってくる。