鍵盤奏者兼作曲家の西島芳を中心に、「息のかさなり」をテーマとして活動するグループの2025年発表作。サックスを含む三つの管楽器による室内楽的サウンドにゲストも加わり、一層深みのある音楽が提示される。

エフェクターを駆使した独特のヴォーカル・ワークで活躍する伊藤大輔と、ジャンルの垣根を超える雑食系ギタリストの竹中俊二によるコラボ作。引出しの多い二人による化学反応で生まれた11編の音絵巻。

演奏活動とともに教育にも力を注ぐトランペッター、マイケル・モスマン率いるコンボが渋谷の「ボディ・アンド・ソウル」に出演したときの音源。アオモリ親子を含むメンバーで、モスマンのオリジナル曲を中心に演奏している。

チェロ奏者のトモヤ・アオモリが、父であるベーシストでもあるヨシオ・アオモリらとのカルテットで渋谷のジャズ・クラブに出演した際のライヴ録音。ニューヨーク仕込みの鋭敏なセンスでスタンダードを中心にプレイしている。

米・ニューヨークで活躍するピアニストが、故郷の北海道にある札幌コンサートホール「Kitara」で録音したソロ・ピアノ作品。全曲が野瀬栄進自身のペンによるオリジナルであり、地元の大地からえたインスピレーションも反映されている。

北海道出身のピアニストが、2022年とその翌年の地元でのコンサート前に録音した即興演奏集。ベーゼンドルファーのグランドピアノを前に、研ぎ澄まされた感性がそのまま音になる瞬間が切り取られており、一度限りの創造の瞬間に立ち会えるアルバムだ。

安藤正容の脱退後、ギタリストの座が空席となっていたT-SQUAREがオーディションを経てリスタート。新加入した亀山修哉（g）と長谷川雄一（key）の書き下ろしも収めるほか、サポートメンバーだった田中晋吾も正式に迎えた門出に相応しい作品。

バラードの傑作「クレッセント」を中心に据えて編集された一枚。おなじみのナンバー「ベッシーズ・ブルース」や、琴線に優しく触れるかのような「ロニーズ・ラメント」なども収録されている。

同名映画のタイトル曲などを収録した小粋な1966年の名作。ロリンズはもちろんのこと、共演のケニー・バレルやフィル・ウッズの見せ場もたっぷりで、編曲・指揮を担当したオリヴァー・ネルソンの貢献も大きい。

インパルスに遺されたチャールス・ミンガスの代表作の一つ。ミンガスとボブ・ハマーの共同作業による秀逸なサウンド・デザインを楽しむも良し、エリック・ドルフィーやブッカー・アーヴィンのプレイを堪能するも良しの充実作だ。

一連のスピリチュアル／フリージャズ作品の中でも核となる1969年録音作。レオン・トーマスのヨーデル唱法、ジェームス・スポールディングのフルート、咆哮するサックスが見事に交差する「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン」ほか、名曲揃い。

コルトレーンからメセニーまでさまざまなアーティストと共演した唯一無二のドラマー、ロイ・ヘインズ。等しく強烈な個性を放つローランド・カークを迎えた今作は、彼の長いキャリアの中においても間違いなく代表作に値する。

ピアノの小橋敦子が、トニー・オーバーウォーターらと取り組んだ刺激的な作品。ガーシュウィンの「アイ・ラブ・ユー・ポーギー」を題材に、メロディをはじめとするさまざまな要素を再構築したうえで様々な編成で料理している。

重鎮ジャズ・ベーシストの鈴木良雄率いるThe Blendによる初のスタジオ録音作。峰厚介やハクエイ・キムといった個性的なメンバーが顔を揃えるが、さすがはいずれ劣らぬ実力者たち、バンドとしてのまとまりや緻密さも高い。

モンゴル民謡とジャズ、フォークを融合させた作風で知られる独在住のシンガー・ソングライター、エンジの4thアルバム。有名ジャズ・アーティストをバンドに迎え、モンゴルとドイツ、二つの文化から形成される自身のアイデンティティに焦点を当てた作品。

マサ・オグラ（ds）、ハクエイ・キム（p）、瀬尾高志（b）からなるジャズ・ユニットによるアルバム。30分にも及ぶ冒頭曲やハクエイ・キムのピアノに息をのむ「美しき創造」など、彼らが掲げる“美しき煩悩”を体現する完全即興4曲を収める。

サックス奏者の高橋知道率いるクインテットによる2025年発表作。関西を中心に、他のグループへの参加でも知られる高橋がオリジナル曲を中心に構成した作品となっており、メンバー間の息もぴったり。

quasimodeで知られる平戸祐介の2025年発表作。ヴォーカリストをフィーチャーした楽曲や、須長和広のベースを伴ったアジムスのカヴァー、さらにはライヴテイクまで、ベスト盤さながらの充実したアルバム。

Z世代トランぺッター、久保伶矢の1stアルバム。シングル「Fly Me / I Can't Help It」など、王道ジャズと最新ポップスのミクスチャー・サウンドを収録。シンガー・ソングライターのさらさや、サックス奏者の寺久保エレナも参加。

エズラ・コレクティヴの鍵盤奏者が二部構成で放つ大作のパート2。グリーンティー・ペンとウー・ルーを迎えた「Another Place」のほか、パート1のコンセプトを踏襲しつつ、音楽・音響的に新たな領域へとそのサウンドを広げた意欲作が並ぶ。

キャロル・ウェルスマンが、好評を博した2016年の弾き語り作に続いて2018年に制作したアルバム。演奏スタイルは前作を踏襲しているが、6曲ではベーシストの才媛ニッキ・パロットを迎えて会話のような親密な共演を果たしている。

優れたヴォーカリストの宝庫、カナダが生んだキャロル・ウェルスマンが2016年に録音したスタンダード集。前半はピアノ弾き語り形式、後半はブラジルのポリーニョ・ガルシアを迎えてのインティメットなデュオでおくる。

ベニー・グッドマンの生誕100年にあたる2009年にカナダの女性ヴォーカリストが制作したアルバム。ケン・ペプロウスキーら実力者を迎え、グッドマン楽団出身のペギー・リーゆかりの楽曲もとりあげている。