オーディオファイル的な観点から編まれた寺島靖国監修によるコンピレーション第17弾。音質の面から妥協なき選りすぐりのセレクションとなっていることは言わずもがなだが、各曲のプレイヤーの実力も申し分なし。

ジャズやR＆Bを独自の感性で昇華したヴォーカリスト、KOTETSUの2025年6月発表のアルバム。前作『ECLIPSE』の内省的な世界観に対し、今作は“解き放つ”ことをテーマによりエモーショナルでダイナミックな表現を詰め込んでいる。

ウディ・ショウがサックス奏者のカーター・ジェファーソンらとともに1979年に独・ハンブルクで行なったライヴの第1集。2曲のみの収録だが、どちらも20分を超える長尺演奏で、「オール・ザ・シングス・ユー・アー」ではリラクシンなソロが聴ける。

R＆B系のヴォーカリストとして人気を博したエスター・フィリップスによる1978年のドイツ公演を収めたライヴの第1集。ギターのウェス・ブラックマンらによる小粋なアンサンブルと一体となってグルーヴィな歌唱を披露している。

ジミ・ヘンドリックスの音楽に感銘を受けたギル・エヴァンスが、1986年にドイツで行なったライヴ。ギターのハイラム・ブロックを含む十数名のプレイヤーをまとめ上げ、自身も時折ピアノを弾きながらジミヘンの魅力を掘り下げている。

金澤寿和が監修・選曲したコンピレーション・アルバム。笠井紀美子や清野由美、宮崎正子ほか、70年代後半に生み出されたフィメール・シンガーたちの心地よくも個性豊かな楽曲をたっぷりと収録している。

ポーランドのピアノ才人、スワヴェク・ヤスクウケのセプテットがオーケストラと共演した壮大な組曲アルバム。全楽器のスコアをヤスクウケが手掛けたもので、ジャズやクラシックあらゆる要素を血肉化したサウンドが展開される。

ジャズ・トランペットのレジェンドが、1979年に独ハンブルクで行なったライヴ。フィル・マーコウィッツのピアノ・トリオを従えてのステージで、全ての曲が優に10分を超える長尺の演奏。ビートが印象的な「ラヴ・フォー・セール」は一聴の価値あり。

チャーリー・パーカーらとビバップ・ムーヴメントを牽引したディジーが、1978年にドイツで行なったライヴ。ギターのロドニー・ジョーンズを含むワンホーン・カルテット形式での演奏で、ドラムのミッキー・ローカーの好サポートが光る。

ハリー・エディソンやジョー・ニューマンといったカウント・ベイシーゆかりのプレイヤーらが多数参加した1981年のドイツ・ライヴ。スウィンギーこの上ない「ブルースバード・ブルース」に始まり、多数の人気曲で聴衆を魅了している。

国内外で再評価の機運が高まっている日本のフュージョン・ミュージックから、シーンを牽引した名ギタリストに焦点を当てた“ライトメロウ”プレゼンツのオムニバス・アルバム。高中正義、和田アキラ、竹田和夫らの初CD化音源も収録している。

ジャズ・フュージョン界最高峰のサックス奏者が、マイク・スターンを含む強力なバンドで行なった1987年のライヴ。ブレッカーのテクニカルな側面を堪能できるばかりでなく、秀逸なバラード「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」も聴ける。

ランディ・ブレッカーがボブ・バーグとの2管フロントで1987年に行なったドイツでのライヴ。各メンバーがテクニカルな楽曲をさらりと弾きこなすさまが秀逸で、ソロや曲の雰囲気にアジャストするジョーイ・バロンの器用さも光る。

ドラムのルイス・ヘイズとサックスのジュニア・クックを中心とするコンボが、1976年にドイツで行なったライヴ。トランペットのウディ・ショウも参加した華やかな雰囲気の中、ヘイズが手数の多いドラミングで一層盛り上げていく。

デイヴ・リーブマンとリッチー・バイラークを中心に結成されたカルテットが、ドイツで行なった1975年のライヴ。ゲストとして加わっているバーダル・ロイのパーカッションによりリズム面の深みが増し、ファンク的要素も魅力の一つとなっている。

鍵盤奏者の久米大作が“＆セラ”名義でリリースした90年作。斎藤ネコ、青山純、バカボン鈴木ら国内屈指のプレイヤーが参加しており、当時の売り文句だった「エキゾチック・サウンド」の一言では括れない芳醇な音楽を展開している。

高柳昌行が1985年に「アケタの店」で行なったライヴ。井野信義と齋藤徹という二人のベーシストを迎えてアルバート・アイラーやオーネット・コールマンに取り組んだ刺激的作品であり、今なおそのクリエイティヴィティは色褪せない。

フリージャズ系のギタリストとして伝説的存在となっている高柳昌行。本作は彼が盟友の金井英人らと1979年に行なったライヴを収めたもので、よく知られたスタンダードを彼らがどのように解体・料理したかが興味深い。

新メンバーの加入や日本を含む各地での精力的なライヴ活動で進化を止めないゴーゴー・ペンギン。2025年発表の本作でも、マンチェスター コレクティヴをフィーチャーするなど新たな地平への探究心がうかがえる。

ジョシュア・レッドマンがポール・コーニッシュら気心の知れたメンバーと制作した全曲オリジナルの2025年発表作。曲によってはテナーやトランペット、さらにはヴォーカリストも迎えて人間の不完全性という深いテーマに挑んでいる。