物語『BLUE GIANT』の主人公が米・ニューヨークで経験するジャズの多様性になぞらえたコンピレーション盤。大御所クラスによる優れた楽曲はもちろんのこと、ジュリアス・ロドリゲスによる新録曲が本作の価値を高めている。

踊れるジャズ・バンドとして進化を続ける中山豪人を中心とするピアノ・トリオの第4作。シンセサイザーを大胆に導入し、ヒップホップとの接近を感じさせる楽曲やミニマル・ミュージック的アプローチなど、リスナーを飽きさせない音作りがなされている。

リー・モーガンとウェイン・ショーターという強力すぎる2管をフロントに据えた快作。一言でファンキー路線といっても、リズム隊も含め個々の奏者の色がくっきりと浮かび上がるところはさすがだ。

世界中にファンキー・ブームを起こした、1958年の歴史的傑作。モダン・ジャズの鬼才、アート・ブレイキーの脂の乗ったドラミングをはじめ、ジャズ・メッセンジャーズのコラボレーションも絶妙。「モーニン」ほか名曲の数々を堪能できる。

1964年のブルーノート3部作の最後を飾る傑作。マイルスのクインテットを経て、プレイヤーとしてもコンポーザーとしてもスケールアップしており、西洋の伝説や黒魔術をテーマにしたショーターのミステリアスな世界観が満喫できる。

フリー・ジャズや前衛的という範疇に留まらないのがドルフィーの独特な持ち味。セッションマンとしての成果もその柔軟性を示している。1964年のベルリン没前の最後のアメリカ録音となり、ドルフィーの主張が聴ける唯一のもの。

フリー・ジャズの申し子オーネット・コールマンがブルーノートに遺した金字塔。3年ぶりの活動再開の地はスウェーデン。アトランティック時代との比較においても、メロディシズムの点でさらなる飛躍を感じさせている。

フリー・ジャズの真髄に迫る、巨人復活となった伝説のライヴを収録した第2弾。コードの制約を受けないメロディアスなアルト・ソロがどこまでも美しく響き、さらに静と動のコントラストも見事。

マイルス・デイヴィスの痺れるようなミュート・トランペットによる「枯葉」を収録したジャズの金字塔的作品。1958年発表。リーダーとしてクレジットされたキャノンボールのサックスも凡人を遥かに凌ぐ名演だ。

天才の名を欲しいままにしたクリフォード・ブラウンの急逝後、ブルーノートに遺された音源をもとに制作された追悼盤。「ブラウニー・スピークス」をはじめ、彼の卓越したソロ・プレイが堪能できる楽曲が並ぶ。

アフリカン・アメリカンの魂を全編に漂わせながら、ブルージィなジャズとしてのスタイルを保った1962年のギター作品。グラント・グリーンのルーツがそのまま投影されたような清々しさに満ちている。

ジャズ・ギターのレジェンド、ケニー・バレルの代表作の一つとされるブルーノート盤。持ち味である粒立ちのよい音やブルージーなフレージングはもちろん、レイ・バレットらの醸し出すラテン・フィールも特徴的だ。人気曲「チトリンス・コン・カーネ」も収録。