名ピアニスト、シダー・ウォルトンの率いるイースタン・リベリオンが、1976年に出演したイタリアのジャズ祭の音源が半世紀近く経って初CD化。ジョージ・コールマンを含む鉄壁カルテットの溌溂としたプレイが堪能できる。

ダッチ・ジャズの心臓ともいうべきドラマー、エリック・イネケのジャズ・エクスプレスによる2006年のアルバム。ロブ・ヴァン・バヴェルら同国の実力派を伴ったセッションであり、2管フロントの見せ場もたっぷり。

70年代にバリー・マイルスとの共作を含む作品をミューズ・レーベルに遺したエリック・クロス。本エンヤ盤は、1976年に二人が独・ブレーメンで行なったライヴを収めたもので、サックスと鍵盤のみによる渋いステージの記録となっている。

欧州ジャズ・ピアノの代表格として君臨するエンリコ・ピエラヌンツィがジョーイ・バロン、マーク・ジョンソンとともにパリで行なった35周年記念ライヴ。一曲を除きすべてオリジナル曲の演奏であり、キャリアにおいてもマイルストーンとなった一枚だ。

イタリアを拠点とするハウス系ジャズ・グループが、フィイランドの名プロデューサーとコラボした意欲作。互いの世代や音楽性には差異はあるものの、実験性や音楽に対する進取の気性で見事に新たな作品を生み出した。

トラディショナル・スタイルのクラリネット奏者として活躍したケニー・ダヴァーンが、ストライド・ピアノのディック・ウェルストッドと行なった84年のライヴ。独特の丸みのあるクラリネット・サウンドが和やかなムードを演出している。

ケニー・ドリューが欧州の名ベーシストであるニールス・ペデルセンらとのピアノ・トリオで90年に録音したリーダー作。「オータム・イン・ローマ」をはじめとするイタリアに縁のある楽曲を洗練されたタッチで料理している。

デイヴ・ホランドとの共演で知られる名ヴァイブラフォン奏者による2023年のリーダー・セッション。エリック・イネケらオランダのプレイヤーを迎えたシンプルなトリオによるスタンダード集。ミルト・ジャクソンの「バグス・グルーヴ」もとりあげている。

スナーキー・パピーが2015年にリリースしたメジャー・デビュー作のリミックス＆リマスター盤。メトロポール・オルケストとの実験的共演が作品として成功したもので、ボーナス・ヴァージョンの2曲はオリジナル盤には収録されていない。

浅川マキのプロデュースにより生まれた92年作。チェリストのトリスタン・ホンジンガーが、個性派トランペッターの近藤等則とピアノの渋谷毅とともに録音したもので、その場限りのインプロヴィゼーションが炸裂する。

“VINYL GOES AROUND”が選曲・監修を手がけたコンピレーション・シリーズの第1弾。アンビエントやジャズ、ソウル、ライブラリー、オルタナティヴなど、さまざまなジャンルの楽曲から、“静かな夜”をテーマに選曲し収録している。

隆盛をきわめる70年代フュージョン・シーンのなか、ロックやジャズ育ちのメンバーによって結成されたハング・ライジの唯一のアルバム。ゲストに森園勝敏を迎え、ジャズやロックにとどまらないセンスに満ちた痛快なサウンドを味わえる。

ビル・エヴァンスのカタログの中から梅雨の時期にぴったりの楽曲をセレクトしたコンピレーション。必ずしも彼の代表曲ばかりが収録されているわけではないが、ジェレミー・スタイグやモニカ・ゼタールンドとの共演はおさえられている。

知る人ぞ知るオランダ人ピアニストのヤン・ハイツが、99年にレコーディングしたソロ・ピアノ作品。エリントンなどのスタンダードを多数とりあげており、シンプルな演奏の中で時折顔を出す洗練されたハーモニー・センスが興味深い。

デイヴ・グルーシンとリー・リトナーが85年にリリースしたコラボ作『ハーレクイン』の続編がなんと2024年に発表。イヴァン・リンスやセルソ・フォンセカらも加わり本格的にブラジリアン・ミュージックへの愛を具現化している。

浅川マキによるプロデュースのもと制作された宮沢昭名義のアルバム。渋谷毅とのデュオ形式で録音されたもので、宮沢のむせび泣くようなサックスと渋谷の綴るリリカルなメロディがダイレクトにリスナーの心を揺さぶる。

コロナ禍を経た寺井尚子が“癒しと希望”をテーマに制作した2024発表のアルバム。北島直樹や荒山諒ら信頼できる仲間たちとともに、自身のオリジナル曲のほかミシェル・コロンビエの楽曲にも挑戦している。

浅川マキのプロデュースにより制作された植松孝夫のリーダー・アルバム。渋谷毅、ボビー・ワトソン、つのだひろからなるピアノ・トリオをバックに、自身やメンバーのオリジナル曲を交えワンホーンでブロウする。

ヴォーカル、ピアノ、ギターからなる特異的なトリオによる初アルバム。すでに10年間にわたりライヴ活動を共にしているだけに、ベースもドラムもいない編成でも息の合ったプレイを展開し、“生”の喜びを表現する。

ピアノ歴21年の板谷優希奈が、グランドピアノで綴るジャズ・スタンダード集。「枯葉」から「スペイン」まで、ジャズ・ファンを名乗るなら知っておくべき超有名曲ばかりを15曲並べた入門編にふさわしい一枚。

〈RVNG〉の“リフレクション”シリーズ第2弾が、コントゥールことカーリ・ルーカスとオマリ・ジャズによるデュオをフィーチャー。黒人の存在と非存在、生と喪といったテーマのもと、即興演奏から生まれる穏やかなアンビエント・ジャズを収録している。

カナダ出身のジャズ・シンガー、ジル・バーバーのカヴァー・アルバム。2013年にリリースした『シャンソンズ』の続編で、全編フランス語での歌唱を収録。エディット・ピアフ、シャルル・トレネら往年の歌手たちの楽曲をフォーキーかつ甘やかに歌い上げる。

ECMの人気トランペッターとして活躍したトーマス・スタンコが、2004年に同じくポーランド出身のマルチン・ボシレフスキのトリオと行なった独・ミュンヘン・ライヴ。他界後も愛され続けるスタンコのファンを喜ばせるCD化。

物語『BLUE GIANT』の主人公が米・ニューヨークで経験するジャズの多様性になぞらえたコンピレーション盤。大御所クラスによる優れた楽曲はもちろんのこと、ジュリアス・ロドリゲスによる新録曲が本作の価値を高めている。