パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスによるローマでのライヴ映像。90年のワールドカップ前夜祭で初共演した時の記念すべきコンサートの模様で、以降に“3大テノール”と呼ばれるようになった。まさに“世紀の饗宴”だ。

フレミングの元帥夫人、ダムロウのゾフィー、コッホのオクタヴィアンと、申し分のない歌手陣にまず目がいく。ティーレマンの切れのいい指揮、ヴェルニケの美しい舞台、ラージの映像美と、映像版「ばらの騎士」に新たな名盤が誕生した。

ドニゼッティ壮年期の作品。英国エリザベス女王とエセックス公の悲恋が描かれており、抒情的で美しい旋律が魅力的だ。何といってもグルベローヴァの表現力に富んだ歌唱が聴きもの。

96年にリヨン国立歌劇場にてライヴ録音されたドニゼッティ「愛の妙薬」。ゲオルギューとアラーニャが結婚間もない頃の上演で、ロマンティックな田園喜劇として魅力あふれる演技が展開。ピドの的確な指揮も見事。

バーンスタインが人気作『ウェスト・サイド・ストーリー』を自らタクトをとって収録した際の興味深い舞台裏。カレーラスの英語の発音をめぐり、丁々発止のやりとりがされているのが見もの。

カウフマンが一躍有名になった2006年ロンドン、ロイヤル・オペラ・ハウスでの舞台を収録したもの。あらゆるオペラに対応できる幅広い表現力を持ったカウフマンの、情熱のドン・ホセは見逃せない。

カラヤンが贅を尽くして撮影した「ボエーム」。壮年期のカラヤンによる颯爽とした指揮をはじめ、当代一と謳われたフレーニのミミ、ライモンディのロドルフォなど実力ある歌手陣が好演した名盤だ。

ポネルが演出・監督を務め、フレーニとドミンゴの名唱にカラヤンとウィーン・フィルと役者が揃った「蝶々夫人」。演出に日本人の目には奇妙に見える部分もあるが、時代を画した名盤であるのに変わりはない。

カラヤンが映像作品を本格的に製作し始めたころの演奏をとらえた作品。映画として制作しているので、映像の質も細かな演技や演出など随所にカラヤンの意図が明確に表われている。特に「道化師」はカラヤン自らが監督した傑作だ。

意外にもエディタ・グルベローヴァの「ノルマ」は、2004年のライヴ録音（CDの日本発売は2005年）が初めて。本作はそのときと同じ指揮者によるライヴ映像で、満を持して取り組んだだけに、これが映像で見られることは望外の喜びだ。

ベルリーニ最後のオペラで、美しい旋律にあふれた作品だ。エルヴィーラ役には、絶好調のネトレプコを擁し、「狂乱の場」が真に迫ったなかなかの迫力だ。アルトゥーロのカルトーも声が美しい。メトの舞台はまことに豪華。

男女間の本音を鋭く風刺したモーツァルトの傑作オペラ。巨匠ポネルの最後の演出となった舞台として貴重な映像だ。豪華な歌手陣たちの絶妙なアンサンブル、アーノンクールのドラマツルギーと見どころ満載。

人気のバリトン、トーマス・ハンプソンをタイトルロールに迎えた、斬新な演出が魅力の「ドン・ジョヴァンニ」を収録。ダイナミックではつらつとしたハーディングの指揮も好評を得た舞台だ。

2006年のザルツブルグ音楽祭の最大の話題作「フィガロの結婚」の、グートによる新演出上演を収録。人間の二面性を際立たせた心理劇とし、それをアーノンクールがドラマティックに表現している。

モーツァルトが死の直前に完成させたメルヘン・オペラ「魔笛」をパッケージ。最高のキャスト、幻想性と思想性を融合したエヴァーディングの演出、夢あふれるローゼの装置、と三拍子揃った見事な舞台だ。

今や、演奏スタイルは古くはなったが、一時代を築いたバッハ演奏家、リヒターでしか味わえない感動を得ることが出来る。リヒターの生誕80年没後25年記念の、約21年ぶりの再登場となるアルバムだ。

リヒターの生誕80年没後25年記念の一枚。約20余年ぶりのリリースだ。来日時から2年後の演奏で、福音史家はシュライアーに変わっている。オーケストラと合唱団、歌手の掌握力は相変わらずの、必見の演奏。

1969年の演奏で、この年の来日時の録音がCDでも出ているが、ソリストは一人も重なっておらず、本邦初登場の貴重な映像だ。強い求心力で感動的な演奏を繰り広げている。

リヒターの生誕80年没後25年記念で発売された、本邦初登場の映像。来日した翌年の演奏だ。「ヨハネ受難曲」の峻厳な世界が、リヒターの無駄のない指揮によって、ひしひしと画面を通して伝わってくる。

2009年にカウフマンの地元ミュンヘンで行われた公演のライヴ。ドイツ出身のカウフマンがドイツ･オペラの代表作である『ローエングリン』ではじめて主役を歌うとあって注目を集めた。ケント・ナガノ指揮バイエルン国立管弦楽団による演奏も見事。

シェローの演出が冴え渡った画期的な「ジークフリート」。最も動きの少ないこの第2夜に、多くの動きを取り入れて、演劇の手法が最も効果的に現れた舞台。ブーレーズによる、ドイツの伝統から解き放たれた響きが新鮮。

初めてフランス人コンビで『ニーベルングの指環』に挑戦したブーレーズとシェローの、バイロイト史上エポックとなった公演の映像作品。ヴィーラントが作り上げた静の演出から、動の演出への画期的な記録。

ブーレーズ、シェローのフランス人コンビが、バイロイトに画期的な響きと演出をもたらした、記念すべき舞台の記録。ブーレーズの紡ぎ出した、室内楽的な精緻な響きは、それまでのワーグナー観を覆すものだった。

ヴィーラント・ワーグナーが作り上げた演出・舞台から、演出畑のシェローが、新しい『指環』像を作り出し、後年の演出に大きな影響を与えた記念すべき舞台の映像。ブーレーズ、シェロー・コンビの最良の記録。

2006年のミラノ・スカラ座でのライヴによるヴェルディの『アイーダ』。ゼッフィレッリが演出・美術を手がけた豪華な舞台は見応え十分。アイーダのウルマーナ、ラダメスのアラーニャ、そしてシャイー指揮のオーケストラが壮大なドラマを描き出している。