プレスティッジのムーズヴィル・シリーズとして発表した、1960年録音のアルバム。スタンダード・ナンバーを中心に、トミー・フラナガンの渋いソロが繰り広げられる。全体として、3人の落ち着いたまとまりが心地良い仕上がり。

ナタリー・コールが父ナット・キング・コールも愛唱したスタンダードを多数とりあげた91年のアルバム。シルクのような歌唱とラグジュアリーなストリングス・アレンジも相俟って商業的にも大成功。30周年記念盤となり2曲追加収録された。

3年ぶりの来日公演記念、グラミー賞ベスト・トラディショナル・ポップ・ヴォーカル部門を受賞した2024年作『ヴィジョンズ』に、2025年7月の最新ライヴ音源2曲を追加収録した日本独自企画盤。ノラの好調ぶりとバンドとしての一体感も感じられる。

器楽曲を中心に、近現代音楽〜ジャズ、フュージョン、ミニマル・ミュージックまで手掛ける作曲家／キーボード奏者、ヒロオガワのアルバム。80年、17歳の時の初演曲を元に、その後年月をかけて再演〜リアレンジ〜編集したものを収録した記念碑的作品だ。

久々のトリオ編成での吹き込みとなったビル・エヴァンスのファンタジー時代の最終作。タイトル曲「アイ・ウィル・セイ・グッバイ」の別テイクなど、ヴァラエティと示唆に富んだナンバーを収録している。グラミー賞受賞作。

エヴァンス、ラファロ、モチアンの3者による2作目。驚異的なインタープレイを繰り広げるトリオがここに創造する世界は、今後ピアノ・トリオのひとつのスタイルとなる。白眉のスタンダーズだ。

歴史的名盤『ワルツ・フォー・デビィ』と対をなす不滅のエヴァンス・トリオのヴィレッジ・ヴァンガードでの貴重な記録。ライヴ・レコーディングの10日後にラファロが事故死した。

親友スコット・ラファロの死後、ショックでしばらく演奏活動を行なっていなかったビル・エヴァンスだが、本作ではイスラエルを起用し、あふれんばかりの歌心で聴く者を酔わせている。『ムーンビームス』と対を成す傑作だ。

ラファロ亡き後、イスラエルを迎えたトリオでエヴァンスの輝かしきリバーサイド時代の最後を飾った作品。リラックス・ムードの中ほどよい緊張感のある名ライヴ・セッションが繰り広げられている。

ピアノ・トリオという構造を見直し、新しいトリオを実現したビル・エヴァンスの名盤。天才ベーシスト、スコット・ラファロをトリオに迎えての初レコーディングは決定的な代表作となった。

リリカルなタッチと優れたハーモニー・センスで耽美的なバラードの世界を描き出すビル・エヴァンス。ピアノ・トリオでエヴァンス独特のスタイルを確立した彼の屈指の名作だ。

ジャズ史上最重要といえる1961年6月25日の、ヴィレッジ・ヴァンガードにおける記録。会場の生々しい雑音と、対照的な冒頭曲の繊細この上ないビル・エヴァンスのピアノ・イントロ。そしてスコットは11日後に他界する。

ビル・エヴァンスにしては珍しいトランペットとギターを加えたクインテット。ドライヴするフィリー・ジョー・ジョーンズ、若き才能フレディ・ハバード、後にデュエットするジム・ホールらが個性を十二分に発揮する会心の一枚。

初リーダー作の後、多数のセッションに参加して腕を磨いたエヴァンスが満を持して録音した2ndアルバム。マイルス・デイヴィスの影響を感じさせる「ヤング・アンド・フーリッシュ」や「ピース・ピース」のソロに至高の美を感じさせる。

1959年にビル・エヴァンスがマイルスのリズム隊とセッションしたときの録音。映画のテーマ曲として知られたタイトル曲のほか、かつて日本でTVコマーシャルでも取り上げられた「あなたと夜と音楽と」も秀逸。

ビル・エヴァンスの数あるトリオ作品、特にスタジオ録音盤に限定すれば間違いなく最高峰に位置する1977年の作品。3者並列的な演奏を信条とするスタイルにもかかわらず、エヴァンスの存在感だけが際立つ一枚でもある。

華やかなハード・バップの時代を彩ったトランペッター、ブルー・ミッチェルの代表作。マイルスともクリフォードとも異なる美しいバラード演奏には、いぶし銀のリリシズムが漂っている。

マイルスがリーダーとして自己を確立しつつあったころを代表するハード・バップ作。後のバンドスタンドにおいては、はるかにアップ・テンポで演奏されるタイトル曲やスタンダード化する「ソーラー」などが収録されている。

マイルス・デイヴィスがプレスティッジに遺したマラソン・セッション四部作のうち、唯一1956年10月録音の音源のみで構成された名盤。最初の黄金クインテットによる「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は至高のバラードのひとつ。

マイルスがミルト・ジャクソンのヴァイブをフィーチャーしたプレスティッジの名盤。タイトル曲の他、「エアジン」や「オレオ」といった後のスタンダードがずらり。唯一無二のピアノ・フレーズを連発するモンクも本作のハイライト。

1954年のクリスマス・イヴに行なわれたセッションの音源を中心に構成。マイルス・デイヴィスとセロニアス・モンクのせめぎ合いの記録として名高く、中でもミルト・ジャクソンの柔らかなヴァイブで幕を開ける「ザ・マン・アイ・ラヴ」は珠玉の出来。

モダン・ジャズ史上に永遠のモニュメントを記録したレギュラー・クインテットの一枚。リラックスした中でマイルスの小粋なセンスにあふれたミュート・プレイが堪能できる。

史上名高いマラソン・セッションで吹き込まれたINGシリーズ4部作中の第3弾。美しいガーランドのソロにマイルスの絶妙なミュート・プレイで始まる「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」などは秀逸。

MJQのプレスティッジ盤としては筆頭に挙げられる傑作。根底に流れるブルースを基調としながらも、洗練された室内楽的典雅さを持ち併せている。ラストのタイトル曲にそのすべてが凝縮されているかのようだ。