歴史的な名セッションとして名高いマイルス初期の代表作。アンサンブルとハーモニーの妙味が光る才人たちの編曲と、素晴らしいまとまりを示す創造的サウンドは、この時期には珍しい個性的なものだ。

同名映画のサントラとなった1957年録音の歴史的傑作。マイルスらしいダークな魅力が詰まっており、深めのエコーがかかったトランペットが印象的。2年後の大名盤「カインド・オブ・ブルー」に通じる孤高のサウンドを楽しめる。

ジョン・コルトレーンのカルテットでプレイしていた時代に録音した、バラード＆ブルース集。ピアノ・トリオによるくつろいだ演奏ながらも独特の和声感覚を光らせるなど、創造的な面ものぞかせている。

フランスの映画音楽家がアメリカに渡った際にアレンジャーとして携わった1958年の一作。マイルス・デイヴィスら錚々たる顔ぶれが参加しているが、ハープなどを交え見事にルグラン流のジャズに仕上げている。

米国の女性シンガー・ソングライターによる大ヒット2nd作。ピアノ・ジャズのスタイルに、彼女自身の音楽性に影響を与えたブラジリアンなテイストもプラス。グラミーにもノミネートされた重要作だ。

伝説のジャズ・ヴァイブラフォニスト、ライオネル・ハンプトン率いるオールスターズによる1947年の名盤。15分にも及ぶ「スターダスト」は、後に同曲がスタンダードなる大きなきっかけとなった名演だ。

西海岸の薫りいっぱいのアコースティックな一枚。ラリーのコンサートでもたびたび取り上げられる冒頭曲を含め、エレクトリックとは違う彼のギターさばきが堪能できる。MCAに残した作品群を象徴する85年録音作品。

ジャンルを超えて大ヒットを記録したタイトル曲を含む、サッチモの代表作。66歳の黒人ヴォーカリストが屈託のない笑顔とダミ声で歌う楽曲の数々が、人々の共感を呼んだ。20世紀を彩ったエンターテイナーの金字塔。

作曲家／ギタリスト／プロデューサーの伊藤ゴローによる坂本龍一のトリビュート・アルバム。チェロ奏者のジャキス・モレレンバウムとヴォーカリストのパウラ・モレレンバウムとともに、坂本の楽曲を中心に構成された一枚となっている。

ベーシストの宮本直介率いるコンボによる1973年録音作。疾走感あふれるタイトル曲をはじめ、ストレートアヘッドな演奏に持ち味があり、宮本の図太いサウンドも魅力のひとつ。70年代の和ジャズの空気を体感できる一枚だ。

今田勝が70年代半ばにスリー・ブラインド・マイスに遺したリーダー作。パーカッションを含むステディなリズムを基調とするファンキーなタイトル曲のほか、異国情緒たっぷりな「スパニッシュ・フラワー」も印象的。

山本剛が1974年にピアノ・トリオで臨んだ初のリーダー・セッション。飽きのこない主食のような魅力をたたえたており、程よいブルース・テイストと趣味の良いリリカルなパッセージがそこかしこに散りばめられた好盤だ。

テナーサックス奏者の植松孝夫が、ジョージ大塚らのサポートを得て吹き込んだ記念すべき初リーダー作。冒頭のブルースから奔放なブロウを披露しているほか、「星影のステラ」では抑揚の効いたプレイも聴かせている。

トニー・ベネットとの共演でグラミーも獲得したピアノのビル・チャーラップがベテラン・ヴォーカリストのディー・ディー・ブリッジウォーターと共演した作品。熟練のプレイヤーにしか出せない深みのある演奏を堪能できる。

アフリカ系スペイン人のトランペッター、ミレーナ・カサドによる堂々のデビュー作。共同プロデューサーとしてテリ・リン・キャリントンらを迎えて制作されており、演奏のみならずジェンダー的視点からも注目に値する一枚。