名作映画にも出演した女優が、歌手として遺したヴォーカル・アルバムのひとつ。ストリングス隊を含む厚みのあるアンサンブルとともにドラマティックな歌唱を披露しており、とりわけマイルス・デイヴィスの「オール・ブルース」は秀逸。

ラリー・コリエルが、ベースとドラムスだけを伴って出演した1971年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルの実況録音盤。コリエルはロックスターのようにエッジの利いたギター・サウンドのみならず自身のヴォーカルも披露している。

若き日のラリー・コリエルが、サックス奏者のスティーヴ・マーカスらとともにフライング・ダッチマンに遺したグルーヴ重視のアルバム。僅か3曲のみながら、ドラマティックな楽曲展開とライヴさながらの自由度の高い長尺ソロで魅了する。

ソウルフルなオルガンで人気を博したリチャード・ホルムズのフライング・ダッチマン・レーベル最終作。タイトルが示唆するようなバラード作ではなく、ファンキーでダンサブルな楽曲を多数収録。ブレンダ・ジョーンズの歌唱も注目を浴びた。

オルガン・マスターのグルーヴ・ホルムズが、ギターとドラムのみを伴ったトリオで1974年に行なったニューヨークのハーフ・ノートでのライヴ録音。15分を超える表題曲はもちろん、「グリーン・ドルフィン・ストリート」すらソウルフルに料理している。

人気ジャズ・オルガン奏者のリチャード・ホルムズが、1970年代にフライング・ダッチマンに遺した諸作のひとつ。本作はソウル一辺倒ではなく、オリヴァー・ネルソンの編曲と指揮によりアンサンブルの妙も楽しめるのがポイントだ。

サッチモの愛称で親しまれたルイ・アームストロングが、亡くなる前年にフライング・ダッチマン・レーベルに遺した作品。彼のトランペットに往年の輝きはみられないものの、トレードマークとも言える人間味あふれる歌唱は健在だ。

ジャズ・ヴォーカルのレオン・トーマスが、フライング・ダッチマンに吹き込んだデビュー作。「新たなる歌唱の地平」という副題のとおり、ヨーデルを含む独特の歌唱スタイルとスムースな声色でキャリアの礎となったアルバムだ。

ソウルフルなヴォーカルで人気を博したレオン・トーマスが、フライング・ダッチマンに遺した諸作のひとつ。奔放なヴォーカルはもちろんのこと、バーナード・パーディーのドラミングやコーネル・デュプリーのギターなど、通好みの要素が満載だ。

レオン・トーマスのフライング・ダッチマン・レーベルでの第二作。本作での彼はヴォーカルのみならず民族楽器やパーカッションも駆使しており、「バグス・グルーヴ」のようなオーソドックスなブルースすら自らの色に染めている。

ローランド・カークら名ジャズメンとの共演後、ロニー・リストン・スミスがコズミック・エコーズ名義で最初に発表した作品。エモーショナルなサックスやプリミティヴなパーカッションなどを通じてスピリチュアルなサウンドを展開している。

ロニー・リストン・スミスのコズミック・エコーズの代表作ともいわれる1974年録音作。エレピを含む電子楽器とパーカッションを含むリズムの融合に高いセンスが滲み出ており、後のアシッド・ジャズ・ムーヴメントにも連なる一枚。

ロニー・リストン・スミスのコズミック・エコーズが1974年に放った意欲作。文字通りコズミックなファンクを体現したタイトル曲のインパクトは充分。ウェイン・ショーターやコルトレーンの名曲にも独自のスタイルで取り組んでいる。

圧倒的なカリスマ性を誇るロサンゼルス出身のジャズ・サックス奏者、カマシ・ワシントンが2015年に発表したデビュー・アルバム。フライング・ロータス制作総指揮のもと、60名以上のジャズメンとともに練り上げた3枚組170分超えの特濃リーダー作だ。

藤井郷子の変則的トリオによる2024年録音作。充分に楽曲を練り上げながらも、それに拘泥せず演奏の中で解体していくという、自在性の高い演奏。田村夏樹を含む3者の技術の高さが如実に表れたアルバムだ。

ジャズをルーツとしたエレクトロ・ユニット、Janon Panic Pushによる1stアルバム。ビートが強烈な「willow weep for me」やチャーリー・パーカー作曲の「now’s the time」ほかを収録している。

間宮慎太郎のサックスと友金まゆみのピアノが交わるインティメットなデュオ・アルバム。二人のオリジナル曲を中心に、モンクやパーカーの有名曲も織り交ぜて互いの音楽性を確かめ合い、高め合う。

フジロック出演やジャズ、クラシック、ポップスを横断する多彩な活動で知られるピアニスト、草田一駿の2ndアルバム。ベースとドラムとのトリオ作で、タイトルは“勝利・祝祭”を意味。音楽の歓びや熱量があふれる自由かつ緻密なアンサンブルが味わえる。

山あり谷ありの生涯を持つアート・ペッパーが亡くなる2年前に出演したノルウェーのジャズ祭での音源を収めた発掘盤。ピアノのミルチョ・レヴィエフらからなるリズム・セクションをバックに全盛期とは一味違うブロウを披露している。

ブルーノート・レーベルの名曲を再解釈する『リイマジンド』シリーズのチェット・ベイカー編。英国のジャズメンを中心にオランダやカナダ、さらには韓国のプレイヤーも加わってジャズの遺産ともいうべき音楽に新たな魂を吹き込んでいる。

幅広い音楽性を持つホセ・ジェイムズの面目躍如。ジャズ・フュージョンはもちろん、映画からもインスピレーションを受けたオリジナル曲に加え、ハービー・ハンコックからストーンズ、MJまでも自己流に料理してみせた一作。

結成10周年を迎えたピアノ・トリオ、Alter Egoの7thアルバム。3人それぞれが作曲を担当。メロディアスで優しい楽曲からエネルギッシュな楽曲まで、トリオの10年にわたる音楽的な旅路を象徴する楽曲の深さと広がりが存分に味わえる。

日本のクロスオーヴァー/フュージョンから選曲家の栗本斉が選曲するコンピレーション・シリーズの日本コロムビア編。必ずしも各アーティストの代表曲にこだわらず現在のリスナーに訴求する楽曲がセレクトされている。

京都から世界に発信する3人組インスト・バンド、jizueの通算10作目となるアルバム。タイトルは仏語で“海”を意味。海のように無限の可能性を楽しみながら制作された、jizueらしいメロディックで壮大、プログレッシヴで抒情的な楽曲を収録。

中園亜美（sax）と竹田麻里絵（p）によるジャズ・エレクトロ・ユニットの2年ぶりのアルバム。e°murasaki（水詠廉貴）が全曲アレンジを担当。チルアウトからクラブタイムまで幅広いシーンにフィットするハイセンスな8曲を収録している。